今回は、湊かなえさんの「人間標本」を読んだ感想やどんな人におすすめしたいのか、紹介しています。
率直に言って、湊かなえさんのこれまでの作品と比べて、この作品は人々の好みがはっきり分かれるかもしれません。
しかし、それでも流行作家として名を馳せる湊かなえさんは、新しいテーマや手法に積極的に取り組む姿勢がさすがです。
ぜひ、参考にして頂けたらと思います。
湊かなえの「人間標本」を読んだ感想について
まずは、湊かなえさんの「人間標本」を読んだ感想からご紹介します。
「人間標本」を読んでみると、はじめは単純な事件だと思っていましたが、内容が進むにつれて2転3転とどんどん変わっていくのがとても面白かっです。
一章ごとに感情移入する対象が変化するため、気持ちが追いつかず、読み終わった頃には放心状態になりました。
また、初めのページに写真が数枚載っているのですが、読み進めていくうちに、その写真の見方が変わるのもひとつの魅力だと思います。
この作品で、私は特に「親子の愛のあり方」や「芸術とはなにか」について深く考えさせられました。親と子供では親子でも考え方は違く、子のためだと思ってても実はそうではないことも、やはりあるのだなと思いました。
そして、親に愛されたくない子など居ないのだと改めて気付かされ、とても胸が痛かったです。
さらに、芸術とは一人ひとり解釈が違うのかもしれないと、この本を読み感じました。他者からみたらとても耐えられないものであっても、その人からしたらとても素晴らしい自分が作りあげた最高の作品だと感じるのだと思いました。
「芸術は爆発だ」などとよく言われますが、どこまでが許される範囲であって、どこまでが「芸術」なのかとても考えさせられました。
人間とはどこまで恐ろしい生き物になれるのかを、体現している作品であると私は考えます。
湊かなえのプロフィールや経歴について
ここでは、湊かなえさんのプロフィールや経歴をご紹介します。
【プロフィール】
- 名前:湊かなえ
- 本名:湊かなえ
- 生年月日:1973年1月生まれ。
- 出身地:広島県因島市中圧町
- 最終学歴:武庫川女子大学部被服部科卒業
【経歴】
現在は、兵庫県洲本市在住。
2007年に金戸美苗(かなとみなえ)名義で第35回創作ラジオドラマ大賞を受賞。
他にも2007年小説推理新人賞や、2009年本屋大賞、2012年日本推理作家協会賞短編部門、2016年山本周五郎賞を獲得しています。
そして、2007年「聖職者」で衝撃デビューを果たしました。
作品を書く際は、一人一人にどんな人物であるかの設定を行ったあとに、登場人物を描きはじめ、その中でどのような動きをするのか取捨選択をするんだとか。
趣味は登山であり、大学時代には、サイクリング同好会にも所属。その際に登山を勧められ、その魅力を知ったそうです。
湊かなえの主な代表作品は?
ここでは、「人間標本」以外の湊かなえさんの主な代表作品を紹介したいと思います。
- 告白
- 夜行観覧車
- 少女
これらの作品は、映画化やドラマ化がされていて、どれも湊かなえさんの代表作品として人気があります。
どれも湊かなえ作品らしさ全開で、どんどん読み進めることができるかと思います。
ぜひ、チェックしてみて下さい!
湊かなえの「人間標本」をおすすめしたいのはこんな人!
最後に、湊かなえさんの「人間標本」をおすすめしたい人はこんな人!としてご紹介したいと思います。
まずは本格派のミステリー好きな方。どんどんと展開が変わっていくため、目の前に書かれた文章が本当なのか考えながら読むのがとても楽しいです。
登場人物一人一人がとても魅力的であり、その人が本当はどのような人物であったのかを考えながら読み進めると面白いですよ。そのため、じっくりと考えながら読みたい方にもおすすめの作品かもしれません。
そして、人物の裏側まで読むことが、ミステリーを解決するための重要な糸口となっています。着眼点を少しズラして考えてみると、思ってもみなかったような新たな発見をすることが出来るため、このように読み進めることができる方には大変オススメです。
何にせよ、どんでん返しのミステリーが大好きな方にはかならずハマる作品であると思います。
まとめ
今回は、湊かなえさんの「人間標本」を読んだ感想やおすすめしたい人についてご紹介しました。
「人間標本」は単純な事件から始まりながら、展開が進むにつれて予想外の転機が続き、読者を飽きさせません。
章ごとに異なる感情移入があり、読了時には放心状態に。写真の見方も変わる魅力があります。
さらに、親子関係や芸術の本質について深く考えさせられ、恐ろしい人間の側面も描かれています。
ぜひ、興味を持たれた方は、チェックしてみて下さいね!
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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