今回ご紹介する「鵼の碑」は、京極夏彦さんの百鬼夜行シリーズの一部で、17年ぶりの新作長編として注目を集めました。
そこで、「鵼の碑」を読んだ感想やおすすめしたい人についてご紹介したいと思います。
ぜひ、参考にしてみてくださいね!
京極夏彦の「鵼の碑」を読んだ感想について
まずは、「鵼の碑」を読んだ感想からご紹介したいと思います。
この作者らしく、冒頭は古文の教科書なのか?と思うような堅苦しい文章から始まります。
ここで挫折しそうになりましたが、頑張って読み進めていくと無事にいつもの京極ワールドに浸る幸せな時間が過ごせました。
登場人物にはそれぞれ目的があり、物語がある。その登場人物同士が出会い、その出会いからまた物語生み出されるような伏線が沢山並ぶので、見落とさないよう大切に慎重に読み進める必要があります。
京極堂シリーズではおなじみの登場人物が沢山出て来て、勝手に同窓会気分を味わえました。とはいえ、人物のキャラクターも本書の中で丁寧に描かれているので、京極作品になじみがない方にも十分楽しめると思いました。
おどろおどろしい舞台設定や装置の割にはいつものような大量殺人は起きませんし、特別邪悪な人物も登場しません。
それでも戦後すぐが舞台でありながら、今の時代にも共通する「恐怖」を、空気感や物語や登場人物を巧みに交差させて描き出す物語力は、流石だと感じました。
丁寧に読み進めたつもりでもまだ読み尽くしていない、自分として納得できていない箇所が数か所あるので、これまで読んだシリーズ本をもう一度読み返して、物語の世界に何度でも浸りたいと思っています。
京極夏彦のプロフィールや経歴について
ここでは、京極夏彦さんのプロフィールや経歴(エピソード)についてご紹介します。
- 名前:京極夏彦
- 本名:大江勝彦
- 年齢:60歳(2024年3月14日現在)
- 生年月日:1963年3月26日
- 出身:北海道小樽市
- 身長:?
- 血液型:?
水木しげる先生が初代会長だった「世界妖怪協会」に所属し、妖怪好きが集まり語り合っていたんだとか。
処女作の「姑獲鳥の夏」は、グラフィックデザイナーをしていた頃、時間を持て余して書いた原稿を自ら講談社に持ち込んだもの。
デザイナーらしく、活字や文章の並びにも独自のセンスや拘りを持ち、書籍の見開きが必ず文章の切れ目になるように作成しています。
大変読書家・蔵書家で、自宅書斎内には恐ろしい量の本が並んでいるそうです。
限られた空間にいかに書籍を詰め込むか(?)について、独自の方法を持ち熱く語っていらっしゃいます。
京極夏彦の主な代表作品について
ここでは、京極夏彦さんの主な作品についていくつかご紹介します。
- 姑獲鳥の夏
- 豆腐小僧シリーズ
- 嗤う伊右衛門
- 数えずの井戸
これらの作品の中から、「豆腐小僧シリーズ」をおすすめしたいと思います。
京極夏彦さんが愛好する「豆腐小僧」を主人公とした妖怪解題小説です。
さきほどもご紹介したように、京極さんは「世界妖怪協会」に所属するほどの妖怪好き。
そんな京極さんの描いた「豆腐小僧」が、「自分とは、あるいは妖怪とは何ぞや」と悩む姿を成長物語風にした作品です。
まだ読んだことがないという方は、ぜひチェックしてみて下さいね。
京極夏彦の「鵼の碑」をおすすめしたいのはこんな人!
最後に、京極夏彦さんの「鵼の碑」をおすすめしたいのはこんな人ということで、紹介していきたいと思います。
絡新婦の理 登場人物それぞれが物語を持ち、それが交錯して知らない人物同士が事件の被害者、加害者になる構造が「鵺の碑」に通じています。
魅力的な女性が多く登場するので、特に女性におすすめしたいです。
京極堂が登場するので時代背景も似ており、人物だけでなく家の構造も活かした構成は、綾辻行人の「館シリーズ」、登場人物が「家」や「家族」に縛られるストーリーは横溝正史の「金田一シリーズ」にそれぞれ似ていて、国産ミステリーが好きな方には読みやすいし、興味を持っていただけると思います。
京極堂シリーズの中では何故かあまり評価されていませんが、私は一番推したい作品です。
映像化するなら主演は〇〇さんがいいなあとか、建物はどんな感じになるかなど、想像力を掻き立てられます。
まとめ
今回は、京極夏彦さんの「鵼の碑」を読んだ感想やおすすめしたいのはこんな人!と題してご紹介しました。
「鵼の碑」は、分厚く、読みごたえがある作品です。
1000ページ以上もあるのですが、細かく章が分かれているので、少しずつ読むのにも適しているかと思います。
トリックに関しても目新しさはないものの、綺麗に完結していて納得がいくものでしたので、後味の悪さは基本ありません。
ファンはもちろん、興味を持たれた方もぜひチェックしてみてくださいね!
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
コメントを残す